カヌープランツ1

万能薬と言われるノニの弱点

みなさま ALOHA〜
ハワイ島ホロホロガイドのKENです。
今回のカヌープランツはハワイで昔からお薬として利用されてきた植物【ノニ】をご紹介します。

この【ノニ】ですが、ポリネシア全域で漢方のようにお薬として重宝されてきたため【神様からの贈り物】や【ハーブの王様】などと呼ばれています。 日本では”良薬口に苦し”とありますがこちらは苦味よりも強烈な匂いに翻弄されます。

このノニとの出会いはガイドになってすぐの研修の時で、真っ黒と焦げたような溶岩台地の中に力強く生えていたその木は緑色の葉と黄色の実が一段と鮮やかに見えてとても印象的でした。

 

しかし近づいていくと何やらちょっと不気味な黄色い実が付いています(ナウシカの王蟲を思い出しました)。その時のツアーガイドさんが「皆さん、このノニの実を踏んだら帰りの車の中が大変なことになるので踏まないように気をつけて~」と。。。???

当時はまだノニの匂いを知らなかった私は何を言っているのか全く分からず、何でこの実を踏んだら帰り道が大変なんだ? と思っていましたが、近くにいた他のお客さんが踏んでしまった時にあっさりと問題解決。 息を吸い込んだ瞬間、鼻の奥に停滞するような発酵臭は一瞬呼吸が止まってしまうほど、それなのにもう一度確認しようと匂いを嗅いで後悔する自分がいたりして(笑)

その後ハワイ島でガイドとしてデビューして更にハワイの歴史などを調べたり、ハワイの人と話していると必ず【カヌープランツ】という言葉が出てきます。カヌープランツはその昔ハワイへとカヌーに乗ってやってきた人たちが持ち込んだ植物をそう呼びます。 そしてこのカヌープランツを調べているとそこから文字を持たなかったポリネシア人の経験と知恵が詰まった沢山の歴史を感じられます。

このノニの木の果実は1本に30~100個くらいで成長したものはジャガイモほどの大きさになります。この実は表面がゴツゴツしてて、成長するにつれて濃い緑色→薄緑色→黄色→乳白色へ変わり、味も臭いも無味無臭だったものが熟成に伴って酸味や苦味と強烈な臭いを放つように変わっていきます。 白いのはお花です。

ノニの実を食べ始めたキッカケはお客さんとしてやってきた2人の女医さんでした。貸切ツアー中にノニについて説明をしていたら熟し方の違う3つのノニを指して「どの状態が一番良いんですか?」と質問されました。文献から学んだ知識はあってもあの強烈な匂いを前に実際にはトライしたことが無かった僕はもちろん答える事なんて出来ません。どれも熟していてそれほど大差は無いように見えたのですが、そこで彼女たちが食べてみたいと言い出しました。正直ちょっと驚きましたが良い機会だと思い3人でノニを一緒に食べてみることにしました。お客さんが食べてガイドが知らないって訳にはいきませんからね(笑)

チャレンジして食べたのは成熟したノニの実、完熟ノニの実、熟れ過ぎたノニという三種類の熟れ方でした。

まずはちょっと若めの成熟ノニですが匂いはほとんど無臭で全然大丈夫でしたが口に入れると山椒のようなピリッとした感じ強く後味は良く無かったです。それに比べると完熟ノニは少し匂いが出てきますが、驚くほど滑らかで味も悪く無くてちょっとザラつきのある蒸したジャガイモっぽい感じです(ちょっと違うけど他に上手い表現が出来ず)。そして最後の熟れ過ぎノニですが、とにかく匂いが強烈でさらに舌触りが悪くなり苦味が出てきますね。完全にアウトでした。ポリネシアの人たちは真ん中の完熟の状態を狙っていたのではと思います。


ノニはポリネシアの広い地域で傷や腫れ物の手当、健康や美容、薬用として民間伝承的にありとあらゆる病気に効くと言われていて、冒頭に書いたように「神様の贈り物」、「ハーブの王様」などと呼ばれてきましたが、日本への輸入ルートがタヒチからとなっている為日本の店頭に並ぶ多くはタヒチ産のノニとなっています。(カリウムが多く含まれているため、妊婦さんや腎臓疾患のある方は避けたほうが良いです)

近年では、ビタミンやミネラルなど140種以上の栄養素が含まれてことに注目が集まり、100%のストレートの搾り汁や濃縮液の他にグレープフルーツジュースやブルーベリージュースなどを加えて飲みやすくしたり、カプセルタイプにした物なども人気が高いようですね。
という事で、今回は実際に自宅でその【ノニジュース】を作ってみました。

ノニが庭でなっていればすごく簡単です。用意したものは下記。
【ノニの果実、ノニを入れる大瓶、サランラップ、輪ゴム】
ノニジュースの抽出方法
ノニを軽く洗ってしっかりと水分を取ります。(水分を取らないと最終的にカビが生えてしまいます)


乾いた綺麗なビンにノニをそのまま詰めていきます。

ラップで蓋をしてゴムで止めます。

太陽が当たる場所に5日〜7日ほど放置すると少しずつノニジュースが溜まってきます。
 
上記の写真は、設置日、2日後です。

今回は5日でジュースを取り出しました。5日目になると透き通った綺麗な薄い黄色のノニジュースがだいぶ溜まりました。ノニジュースは酸素に触れると酸化して黒くなってしまいますが、元々はこんなに綺麗な色をしています。こんなに透き通る綺麗な色だと飲む方の構えも少し違いますよね。しかも取れたては臭い匂いもほとんどありません。

今回はちょっと熟したものから少し若いものを使ってノニジュースを抽出していきました。写真を見て分かるかもしれませんが、ノニは実が緑のうちにビンに入れると実が少し黒っぽくなってしまいます。全部が緑だとほぼジュースは出ません。 一番上に乗っている完熟は実が崩れやすい状態でギリギリでした。

皆さんが知っているノニジュースは茶色いものだと思いますが採れたては採れたては酸化していないので知っている方は色がだいぶ違うのが分かると思います。これで私も明日からの健康を手に入れたぞー。

庭実験が楽しかったので違う植物の実験をまたやってみます。

最後まで読んでいただきMAHALO♪

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