マナゴホテル＆レストラン

今回は歴史のある【マナゴホテル＆レストラン】をご紹介します。
ハワイ島好きだったらここのポークチョップをトライした事がある方もいるかもしれませんね。
１枚目の写真が１パウンドポークチョップ with  オニオン＆グレービーソース　2枚目はタマネギ抜きです。
1パウンド＝４５４ｇとボリューム満点　🍖

マナゴホテルは日本からやってきたマナコキンゾウさんが１９１７年に作ったホテルですが、日本からハワイに船で到着した時の入国審査官がフィリピン系に多いマナゴという名前と聞き間違えMANAGOと記載してしまったところからそうなってしまったそうです。（マナゴさんの親戚でホテルの隣でコナチップスをされている方に情報提供いただきました）
当時、移民としてやってきた人たちはまるで囚人のように番号で呼ばれていた時代で、マナコだろうがマナゴだろうがあまり気にしなかったのかもしれませんね。　そんなマナゴホテル＆レストランも今年で１０５年目を迎えます👏
　
今のホテルは１９２９年に改築されて出来たものですが、ホテルの中に入ると昔の建物の写真なども目にする事が出来ます。
左が奥様のオサメさん　　右がマナゴ　キンゾウさん

そんなお2人にも色々なストーリーがあったようなのでご紹介します。
【奥様のオサメさん】はお米農家の娘さんだったそうですが、厳しい父親は『畑で働く人間が商売の教育を受けても役に立たない』と中等学校への進学をも反対されていたそうです。　そのまま農家で働いていたオサメですが１７歳の時に親戚の進めにより結婚をすることになり嫁いでいきます。　しかしわずか3日後、夫と夫の家族にトイレに行くと告げ満月の下を歩いて自宅まで帰ってしまったそうです。　結局正式なものと認められる前に破棄となり逃れる事が出来ましたが、家族に恥をかかせたと思った 彼女は忘れ去られるところに行ってしまいたいという願望が芽生え始めます。

一方【ご主人のキンゾウさん】はエリートだったようですね。
学校を卒業後カナダへ行って英語を学ぼうと数名の友人たちと計画を立て船に乗り込みます。日本を出発しホノルル経由でカナダへ行く予定だったキンゾウさんと仲間たちでしたが、なんと仲間の 一人が船の中でギャンブルの誘いに乗ってしまいお金を使い果たしてしまいます。
中継地点のホノルルで立ち往生してしまったキンゾウはカナダのいとこに手紙を書きお金を郵送してもらい、その後ハワイ島にもう一人の親戚がいることを知ります。　キンゾウは蒸気船に乗りKONAに向かい従兄弟と会う事ができました。そしてそのご縁で地元で名を馳せていたウォレス家の料理人として働き始め日本から妻を呼び寄せる準備（資金貯め）を始めます。
同時にキンゾウは福岡の家族に連絡を取り結婚の斡旋をお願いし、ちょうど働き者だけれどもどこかに行きたい【オサメと結婚】することを決意します。当時はピクチャーブライドと言って写真だけで結婚を決めた時代ですね。
2人の結婚は1912年に日本で親戚が代理式を行いましたが、オサメはすぐにホノルルへは行く事が出来なかったため、しばらくキンゾウの実家で生活をしたそうです。そして1913年にオサメと同じような境遇の花嫁1万4千人と共にこのハワイへの移住船に乗ります。そしてホノルルの入国審査所で夫のキンゾウと出会い、間もなくホノルルにある出雲大社で結婚式をあげ、すぐにコナへと戻りました。

それから4年ほどキンゾウは一家の収入を補うために、馬の糞拾いからコーヒー豆の選別まで沢山の手伝いを率先して行っていたようです。そんな中、他の仕事の関係もありキンゾウがホノルルに行きたいと言い出しますが、雇い主であったウォレスさんは『ハワイ島に残ってコーヒーショップを始めよう』と説得し、彼がお店を始められるようにと100ドルの軍資金を渡し必要品を購入するよう勧めます。
キンゾウはホナウナウに家と商売用の家を購入し、パンやうどん、コーヒーなどを地域住民に販売し地域に定着していくと少しずつ繁盛し始めました。更に近くのパリスホテルに泊まるビジネスマンに付き添ったドライバーたちが「何処かに安い宿はないか？」と声をかけてくるようになったため、小さなシングルベッドを買ってきて余ったスペースに置いてそのドライバーを泊めてあげるようにしてあげます。

こうして1917年にマナゴホテルが誕生しました。
僕がこのハワイ島に来たばかり（２００６年）の頃に食べに来た時はご飯がお櫃（おひつ）で出てきたり、サイドメニュー（付け合せ）は全員分がまとまってお皿でやってきたりと、良い意味で昔の日本の大衆食堂を思い出させるような感じでしたが段々とおひつも劣化してしまい、今ではお椀に入れて提供されるようになって、サイドもちょっと小分けでした。
今日のサイドメニューは、ポテトサラダ、マロニーみたいなヤツ、そして紫の海藻サラダ（日によって変わります）

ハワイ島でポークチョップを食べたい時にはぜひ【マナゴホテル＆レストラン】へ